【モンゴルの社会課題に、 MBA学生が挑む!!】ビジネスプランコンテストの開催

2024.12.24
目次

プロジェクトの要約:一般社団法人日本MBA連盟が主催する「ビジネスプランコンテストMBA杯2023」は、MBAで培った知識や経験を実社会で活かし、モンゴルの社会課題解決に挑戦する場を提供することを目的としています。本イベントでは、国内外から参加するMBA学生やホルダーが、実践的なビジネスプランを競い合います。
プロジェクトURL:【モンゴルの社会課題に、 MBA学生が挑む!!】ビジネスプランコンテストの開催

クラファンで広がる「MBA杯」の可能性

成田:クラウドファンディングを通じて「MBA杯」が実施されたと聞きましたが、クラウドファンディングに挑戦してみて、いかがでしたか。

平良さん:1回目の「MBA杯」はスポンサーからの支援で開催しましたが、2回目の実施を決めた際に、もっと多くの人に「MBA杯」の存在を知ってもらい、参加者を増やしたいと考えました。そこでクラウドファンディングを活用することにしたんです。実際にクラウドファンディングを通じて支援を集めたことで、私たちの活動に興味を持ってくれる人が増え、広く知ってもらうきっかけにもなりました。また、支援者の方々からも励ましの言葉をもらい、モンゴルの社会課題に取り組む意義を再確認できたのも大きな収穫です。

成田:参加者や支援者が増えることで、より多くの人が社会課題に関心を持つようになったんですね。ちなみに、2回目の「MBA杯」は、どのように、プロジェクトが進んでいったのでしょうか。

平良さん:2回目の「MBA杯」は、中央大学ビジネススクールの教室をお借りして開催しました。モンゴルの実業家や金融機関、アカデミアの方々を審査員として招き、MBAで学んだメンバーがチームを作り、モンゴルの社会課題に取り組むビジネスアイデアを発表しました。たとえば、モンゴルの厳しい冬の寒さを考慮し、VR技術を活用したインドアエクササイズ施設の提案がありました。寒さのために外出できない状況でも、室内で楽しく体を動かせる環境を提供し、健康促進につなげるというアイデアです。このような提案が多く寄せられ、現地企業も興味を示し、具体的に動き出すところまで進展しました。クラウドファンディングで得た支援があったからこそ、ここまで実現できたと思っています。

MBA杯の誕生と目的

成田: そもそも、MBA杯はどのような経緯で始まったのか、教えていただけますか。

平良さん: MBA杯が始まったのは、私の先輩がモンゴルで現地の銀行に勤めていたことがきっかけです。モンゴルは今、急速に経済成長している国ですが、人口が約300万人と少なく、大国からの投資や支援が十分に行われていない現状があります。特に、中小企業向けの支援は少なく、ビジネスチャンスが多くありながらも、そのポテンシャルが十分に引き出されていない状況でした。そこで、先輩から「もっと多くのMBA人材にモンゴルのビジネスチャンスを知ってもらい、彼らの力で社会を変えたい」という話を聞き、私たちのコミュニティで一緒に何かできないかと考えるようになったんです。

成田: それがMBA杯のスタートだったんですね。そこからどのように進んでいったのですか。

平良さん:MBAホルダーたちの知識や経験を活かし、モンゴルの社会課題を解決するためにビジネスプランを募るコンテストとして「MBA杯」を開催しました。第1回はスポンサーの支援を受けて実施しましたが、より多くの人に参加してもらい、プロジェクトの認知度を高めるために、第2回からはクラウドファンディングを活用することにしました。クラウドファンディングの成功により、多くの参加者が集まり、モンゴル国内外から優れたビジネスアイデアが出てきました。MBA杯は、単なるコンテストではなく、社会に具体的な影響を与えることを目的としたものであり、モンゴルを皮切りに他の地域でも展開していきたいと考えています。

社会課題に挑んだ1年:得られた成果と見えてきた課題

成田:実際にMBA杯を開催してみて、どのような成果が得られましたか。

平良:成果としては、参加者がモンゴルの社会問題について深く調べ、多様な視点から革新的なアイデアを出してくれたことですね。普段、あまり考える機会のない課題に対し、参加者が自発的に取り組んでくれました。また、ビジネスを盛り上げようとする動きも見受けられました。

ただ、課題も多くありました。特に、参加者の多くが仕事や勉強の合間にこのプロジェクトに参加しているため、時間やリソースがどうしても限られてしまいます。また、ビジネスプランを実際の活動として軌道に乗せるためには、現地での協力体制が欠かせないのですが、そこがまだ十分ではないと感じました。持続可能なプロジェクトとして発展させるための安定したリーダーシップや資金の確保が、今後の課題だと痛感しています。

モンゴルから日本へ:地域社会を変える次なる挑戦

成田:モンゴルでの経験を活かして、今後はどのような活動を展開していきたいですか。

平良:モンゴルでの活動を通じて、日本国内でも地域の社会課題に取り組むプロジェクトを増やしたいと考えています。たとえば、地方の中小企業の経営課題に対してMBAホルダーがコンサルティングを行ったり、教育機関と連携してジュニア向けのビジネス教育プログラムを提供したりする構想もあります。

具体的には、「ジュニアMBA検定」を通じて、中高生にビジネスの基礎知識を学んでもらい、将来的には社会問題に積極的に取り組むリーダーを育成したいと考えています。また、国内の地方自治体やNPOと協力して、地域ごとの課題解決を目指すビジネスプランコンテストも検討中です。こうした活動を通じて、国内外で多様な社会課題に対応できる仕組みを作っていきたいと思っています。

組織に縛られない自由な社会を目指して

成田:最後に、平良さんにとってどのような社会が理想ですか

平良:理想とする社会は、個人が特定の組織や会社に縛られず、もっと自由に動き回れる社会ですね。私自身、製薬会社に勤めながら医療の課題に取り組んでいますが、会社の枠内だけではできることが限られていると感じることが多々あります。そこでMBAに進んだことで、自分の視野が広がり、もっと多様な方法で社会に貢献できる可能性があることを知りました。今回のモンゴルでのプロジェクトでも、外部の人々と協力することで、企業の枠を超えた解決策が見つかるのを実感しました。

もし一人ひとりが、自分の専門分野やスキルを活かしながら、会社や組織の外で自由に活動できる環境が整えば、今よりももっと多くの社会課題に効果的にアプローチできると思います。私の運営している「MBA交流クラブ」も、そのような場として、業界や地域を超えて活動できるようにすることで、社会に良い影響を与えたいんです。誰もが自分の専門知識を生かして、社会に貢献する機会を持てるような社会が理想ですね。


編集後記:今回は、MBA取得後に「MBA交流クラブ」を立ち上げられた平良さんにインタビューしました。モンゴルで開催されたビジネスプランコンテスト「MBA杯」は、多くの関わった人にとって大きな挑戦と学びの場となりました。日本とは異なる文化やインフラの壁を乗り越え、現地の課題に真摯に向き合う中で、今後の方向性を模索されています。今回はモンゴルが舞台でしたが、今後は国内外の地域や社会課題にも目を向け、地方や教育分野との連携を強化していく計画だそうです。平良さんの活動は、ビジネスを通じた社会貢献の可能性をさらに広げていくことでしょう。特定の組織や会社に縛られず、自由に活躍できる社会の実現に向け、平良さんの挑戦はこれからも続きます。貴重なお話をありがとうございました


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