毎日着る服を通して豊かさを考える「スローファッション講座」を世界中に広めたい!

2024.12.24
目次

プロジェクトの要約:「世界中のクローゼットの着ていない服をゼロにする」ことを目標に掲げ、持続可能なファッションと生き方を広めています。この理念を広げるために、スローファッション実践講座やスローファッションアドバイザー育成講座を開講し、共感する仲間を増やし、「服を通して自分を大切にする方法」を伝えています。
プロジェクトURL:毎日着る服を通して豊かさを考える「スローファッション講座」を世界中に広めたい!

クラファンで生まれた共感と広がり:スローファッション講座の成長物語

成田:クラウドファンディングを終えてから、プロジェクトはどのように進展してきたのでしょうか

大森さん:クラウドファンディング後、受講者が増えて講座内容もさらに進化しました。もともとはゼロから始まった講座で、最初はリターンとして講座を提供していたのが、今では多くの人に届けられるまでに成長しました。ファッションの知識にとどまらず、持続可能な生き方について学んでもらえる場としてブラッシュアップを重ねています。

成田:ゼロから始まった講座は、どのように、展開していきましたか。

大森さん:クラウドファンディングを通じて、活動への共感を多くの方からいただきました。最初のゼロ期の講座では、ファッションの基本知識を中心にしていましたが、現在は、講義の内容を4つのセクションに分けております。具体的には、ファッションとSDGs、似合うスタイル、暮らし方、そして健康との関係です。これらのテーマを組み合わせることで、ファッションを単なる流行やスタイルの話にとどまらせず、日常生活と深く結びつける形にしています。実際に、受講者の方が講座を通じて「自分の生き方を見つめ直すことができた」と話してくれた時は、本当にやってよかったと感じました。そして、今では6期目を迎えるまでに成長しました。(2024年12月現在)
また、支援金を活用してオンライン配信環境を整え、地方の方や忙しい方でも参加しやすい環境を提供できるようになっています。これにより、活動範囲が広がり、多様な受講者に対応できるようになりました。

成田:クラウドファンディングから始まった講座としての取り組みが、今では大きな広がりを見せているのですね。

大森さん:はい、クラウドファンディングは単に支援を受けるだけでなく、仲間を見つけるきっかけにもなりました。この講座を受けた方がスローファッションに共感し、生活の中で意識を変えたり、応援してくれる人たちが増えたことが、今の活動を支えています。講座が進むにつれて、私もその成長を感じると同時に、もっと多くの人に伝えていきたいという気持ちが強まってきました。

服選びを通じた自分への見つめ直し

成田:ファッションが個人のライフスタイルに変化をもたらす事例を具体的に教えていただけますか

大森さん:ファッションを通じて「心地よいものを選ぶ」という意識が生まれると、自然と他の生活全般の選択も変わります。受講者の方々からは「服を選ぶことを通して、自分自身を見つめ直すことができた」という感想をよくいただきます。服だけでなく、食べ物や日用品の選び方にまで意識が広がり、「これでいいや」ではなく「これがいい」という選択をするようになっているようです。

成田:ファッションの選択が他の分野にも影響を及ぼすのは興味深いですね。

大森さん:自分の暮らしにとって心地よいものを選ぶことは、最終的に社会全体の変化にもつながります。日常的に身につける服は、暮らしの質や考え方を映し出すものです。おしゃれや流行を超えて、「自分にとって本当に大切なものを選ぶ」という意識を、ファッションを通じて伝えられることが嬉しいです。

「つくる」から「つなぐ」へ、スローファッションの新しいカタチ

成田:クラウドファンディングを経て、ご自身にも変化があったと伺いましたが、どのような変化を感じていますか

大森さん:クラウドファンディングを通じてスローファッションに共感してくれる人たちが増え、私自身もさらに柔軟な視点を持つことができるようになりました。今回のクラウドファンディングでは、「スローファッションアドバイザー」を募集しました。現在は、その方たちの育成に力を入れています。その中で、アドバイザーさんたちが、それぞれ異なる関心や視点を持っていて、みんなが違った形でスローファッションを伝えようとしているんです。そういった個性を活かしながら、同じ講座を共有できるのがすごく面白いなと感じています。

成田:アドバイザーを育成することで、さらに活動の幅が広がりそうですね。

大森さん:まさにそうです。今では、それぞれのアドバイザーが重要だと感じるポイントを中心に授業を行っています。私が伝えている内容が響く方もいれば、他のアドバイザーの視点がしっくりくる方もいて、いろいろな伝え方ができるのがこの講座の魅力でもあります。

成田:受講者の声が講座づくりに、どのような影響を与えたのでしょうか

大森さん:一般の受講者からのフィードバックを得たことで内容を噛み砕いて提供する重要性を学びました。初期には同業者の視点が中心でしたが、一般の受講者からは「難しすぎる」との声を受け、講座の内容を調整してきました。また、講座の目標は「受けて終わり」ではなく、実生活に活かすことが重要です。受講後の実践に向けた動線の見直しも行っています。その結果、受講者の方々は、講座で学んだことを自身の生活に活かしておられ、嬉しいです。

これから、受講者の方々とともに、アドバイザーが自分なりに解釈し、それぞれの想いでスローファッションを伝えてくれることで、この活動がもっと多様に、そして深く広がっていくのが理想です。クラウドファンディングを通じて得た仲間と共に、スローファッションをさらに多くの人に広めていけたらと思っています。

地域に根ざすスローファッションの広がり

成田:今後は、どのように活動を広げていきたいと考えられていますか

大森さん:私自身、現在、香川県を拠点に活動しています。この香川県での活動を大切にしながら、自治体や企業との協力を進めていきたいと考えています。地元での講座を通じて、地域の方々がエシカルファッションの意義に興味を持ってくださるようになりました。今後は、地元の伝統工芸品や手仕事の良さを見直し、それをエシカルな選択肢として提案することで、地域の活性化に貢献したいです。香川県では、伝統工芸が根付いていますが、日常のファッションにもそのエッセンスを取り入れることで、もっと長く愛されるスタイルが生まれるのではないかと思っています。

成田:伝統工芸との融合は、持続可能なファッションの可能性をさらに広げそうですね。

大森さん:地域の文化を大切にしながら、持続可能な暮らし方を提案できる活動を進めていきたいです。ファッションは流行だけでなく、心の豊かさや長く愛される価値が重要だと考えています。それを地元の方々と共有し、地域での活動を通じて広めていけるよう努力していきたいです。

理想の社会:「世界中の着ない服ゼロ」を目指して

成田:大森さんが思い描く理想の社会について教えていただけますか?

大森さん:私がクラウドファンディングを始める時に掲げたスローガンは「世界中の着ない服ゼロ」です。この言葉には、ただ服を売るだけでなく、持続可能なライフスタイルや価値観を広めたいという思いが込められています。スローファッションというのは、ファストファッションの対極にあるものですが、最終的には「ファストファッション」という言葉がなくなって、みんなが自然に環境や社会に配慮した選択をするのが当たり前の社会になればいいなと考えています。そのために、クラウドファンディングを通じて仲間を増やし、「スローファッションアドバイザー」と共に持続可能な選択を広める活動を続けています。こうした小さな選択の積み重ねが社会全体に浸透し、「着ない服」が世界中からなくなる未来を心から願っています。


編集後記:今回の記事では、「世界中の着ない服ゼロ」というビジョンを掲げて活動する大森さんにお話を伺いました。ファッションの枠を超え、人々の生活全体に持続可能な価値観を根付かせようとする大森さんの姿勢には、強い感銘を受けました。カラーコンサルタントとしての経験を活かし、ファッション業界の常識に新しい風を吹き込む大森さんは、まさにイノベーターといえます。私自身、つい流行や価格重視で選びがちな中で、大森さんの話を聞き、自分の生活や選択を見直す必要性を強く感じました。ファッションを通じて「豊かな選択」を伝えるこの取り組みが、未来に持続可能な変化をもたらすことを願ってやみません。「世界中の着ない服ゼロ」という理想に向かって進む大森さんの姿に、多くの人が共感し、一歩ずつ社会が変わっていくでしょう。貴重なお話をありがとうございました。

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